第85回 生態適応セミナー

日時 6月26日 [水] 17:00~18:30

場所 東北大学 青葉山キャンパス 生物棟 共通講義室

演者 寺井洋平 博士(総合研究大学院大学 先導科学研究科)

シクリッドを用いた適応と種分化の研究

本セミナーでは私がこれまで行ってきたカワスズメ科魚類(シクリッド)を用いた適応と 種分化の研究を紹介したいと思います。アフリカ大陸の三大湖には数百種にもおよぶそれ ぞれの湖に固有のシクリッドが生息しており、これらの種は適応放散により進化してきた と考えられています。そのため、適応と種分化の研究の対象生物として注目されてきまし た。本研究では始めにタンガニイカ湖とヴィクトリア湖における深さや透明度による光環 境の変化と視覚に関わるオプシン遺伝子の適応について説明します。次にヴィクトリア湖 における視覚の適応が婚姻色の進化を起こし、それが種分化につながったことを話しま す。これらの内容に加えて、この種分化の機構がヴィクトリア湖のシクリッドの種分化に 共通の役割を果たしてきたこと、他の透明度が低い湖でも並行的に視覚の多様化が起こっ ていることなどを話し、最後に現在進行中のシクリッドゲノム全体からの種分化関連遺伝 子の探索を紹介しようと思います。