第12回生態適応セミナー

 

 

北野潤博士

フレッドハッチンソン癌研究センター
(5月より生態適応GCOE助教)

 
     
 
トゲウオにおける適応進化の遺伝機構
 
     
 

日時 4月20日 18:30-

 
  場所 生物地学共通講義室(青葉山キャンパス理学部生物棟)  

環境激変下における生物の存続確率、あるいは、外来侵入種の定着確率について
正確にシミュレーションを行う為には、「新奇環境へ適応する際にいくつの遺伝
子が関わるのか」「それぞれの遺伝子の効果はどれくらいなのか」また「原因遺
伝子はどのような遺伝子なのか」などの遺伝機構を明らかにすることが必須であ
る。そこで、私は、トゲウオ科に属するイトヨという魚をモデルとして、新奇環
境への適応の遺伝機構をまず明らかにし、その知見に基づいてシミュレーション
を行うことを目指している。イトヨとは、過去200万年の間に北半球の各地で急
速に多様化を遂げた魚であり、異なる生息地のイトヨは、異なる環境に適応する
ように表現型を変化させてきた。そこで、QTL解析やゲノム分析等を用いて、適
応進化や種分化の遺伝機構を現在追求している。また、開発に伴う環境激変に
よって人為的進化の起こったイトヨ集団について、その遺伝機構を解明した。イ
トヨには、絶滅に瀕する集団、人為移植された集団等も複数存在し、今後はこれ
らの集団を用いて、外来移植集団の適応機構の解明や保全への応用等などへと研
究を広げていきたい。