第33回生態適応セミナー(企画セミナー2)  
中井裕先生(東北大学大学院農学研究科)
山本勝利先生(農業環境技術研究所)
中川博視先生(石川県立大学)
     
  「地球環境変化に対応した農業・畜産業のあり方」  
     
  日時 12月15日(火)15:00-18:00  
  場所 東北大学片平キャンパス多元物質科学研究所 材料・物性総合研究棟1
号館1階会議室
 
  http://www.tagen.tohoku.ac.jp/general/access/campus-map.gif  
     
 

<企画趣旨> 生態系適応科学の体系化においては、生態系や生物システムを対象とした基礎的 研究、それらの適応力を活かした保全技術の開発、さらには生態系保全対策の経 済性や社会的合意形成までを含んだ社会システムに関する研究を一体的に行い、 それぞれの融合を図ることが必要不可欠である。 本講演では、生態系適応科学に関連する分野間連携の一環として、農学分野(と くに他分野との複合領域)において優れた業績を挙げておられる講師の方々をお 招きし、農業および畜産業に関連する話題を幅広く紹介していただく。そして、 環境・生物多様性保全に配慮した農業の現状や気候変動下の農業生産の展望につ いて踏まえながら、今後予測される地球環境変化に対応した農業・畜産業のあり 方について幅広く議論することを目的としたい。

<講師陣>
中井裕先生(東北大学大学院農学研究科)「動物生産と微生物生態」

畜産(動物生産)は、野生動物の家畜化と共に始まったものであり、元来、 自 然環境との共生の元に存在した。しかし、現代の畜産業は人為的にコントロ ールされた環境で行われ、過度の集約化などにより、周辺環境や地球環境に多 くの影響を与えている。本セミナーでは、動物生産とそれを取り巻く微生物生態 を主題に、動物由来病原微生物による環境汚染、環境を介した病原体の伝 搬、環境に多様に存在する微生物を利用した汚水処理やコンポスト化などによ る畜産環境保全などについて述べる。

山本勝利先生(農業環境技術研究所)「生物多様性と農業生産」

今日、生物多様性と共存しうる農業のあり方が各地で模索されている。しかし、 農業と生物多様性との相互関係や、その共存を図る上での目標は必ずしも明確に はなっていない。ここでは、現在農林水産省が進めているプロジェクト研究や農 業環境技術研究所の研究成果を紹介しながら、On site(ほ場内)、On farm(農場/集落内)などの空間スケールに着目しなが ら、農業生産と生物多様性の相互関係、さらには今後の展開方向について検討し たい。

中川博視先生(石川県立大学) 「気候変動下の農業生産」

予期されている気候変化が農業生産に与える影響について、実験とシミュレー ション研究の結果を基に考える。また、農業生産において、気候変動条件下で脆 弱なプロセスを抽出し、環境変動への適応技術開発について紹介する。