第34回生態適応セミナー  
後藤彰博士(生態適応GCOE助教)

金成安慶博士(生態適応GCOE助教)
     
 
免疫の適応科学
 
     
 

日時 12月16日(水曜日)16:00-18:00

 
  場所 青葉山キャンパス 生物地学共通講義室  
     
  講師:後藤彰博士(生態適応GCOE助教)

「ショウジョウバエを用いた自然免疫の研究でなにができるのか? ~新規自然免疫因子アキリンの発見~」

自然免疫は、昆虫から哺乳類に至る多くの生物種が共通してもっている感染初 期に働く重要な生体防御システムのひとつである。近年、哺乳類を用いたToll様 受容体(TLRs: Toll like receptors)に関する自然免疫研究は、爆発的にその 発展を遂げているが、この研究発展の発端は、実はショウジョウバエを用いた研 究が始まりであった。本セミナーでは、なぜショウジョウバエを使って自然免疫 の研究を行うのか?哺乳類を使った研究と比べて、どのような利点があるのか? 今後の感染症の対策にどのように役立つ可能性があるのか?ゲノムワイドRNAiス クリーニング法を用いた新規自然免疫因子アキリンの発見を例に挙げて紹介したい。

講師:金成安慶博士(生態適応GCOE助教)

「レトロウイルス感染抵抗性制御機構」

ウイルス感染は、ヒトをはじめとする地球上の多くの生命に疾病を引き起こ し、しばしば、その生命を死に至らしめる。ウイルスは、増殖に必要な遺伝子機 能の一部を宿主ゲノムに依存することから、ウイルスの感染と増殖は宿主の遺伝 学的な背景に影響をうける。また、ウイルス感染細胞は宿主の免疫細胞に異物と して認識されるために、ウイルス感染症の発症とその治癒にも、多くの宿主因子 が関わると考えられている。ウイルス感染及び発症の制御にかかわる宿主遺伝的 要因は、生物種が元来備えている個体、集団レベルの頑健性を支える要素の一つ であり、これらの理解は生体適応科学の体系化に不可欠である。 本セミナーでは、マウスフレンドウイルスとヒト免疫不全ウイルスの感染抵抗 性個体新規の感染抵抗性遺伝子多型同定の研究を紹介し、その遺伝子多型による 機能変化がウイルス感染に及ぼす影響について解説する。