第45回生態適応セミナー (Aセミナー)

大塚健司先生(アジア経済研究所 新領域研究センター)
 
  中国の水環境保全とガバナンス―太湖流域の事例を中心に―  
     
  日時 7月23日(金曜日)16:00‐  
  場所 片平プロジェクト研究棟1階講義室105 号室  
   
 

中国では1990年代以来、深刻化する水汚染問題に対して、 重点流域における水質機能の維持・回復とそれを実現するための主要水 汚染物質の総量抑制計画を実施してきたが、十分な効果をあげることが できず、依然として各地で農漁業被害や利水障害などが繰り返し発生し ており、問題解決に向けた新たなメカニズムが求められている。とりわ け、太湖流域では、2007年初夏にアオコの大発生により湖水を水源とし ている無錫市の水道供給が一時停止するという水危機を経て、中央・地 方による様々な政策改革の取り組みが加速されている。本報告では、ま ず、中国における水環境問題の現状と課題を概観したうえで、問題解決 に向けて「ガバナンス」という視点の重要性を述べる。次に、2007年の 水危機以降に太湖流域にて進行しつつある政策改革について解説すると ともに、アジア経済研究所と南京大学環境学院による公衆参加の社会実 験に関する共同研究プロジェクトを紹介し、ガバナンスの制度構築を展 望する。