第81回生態適応セミナー (Aセミナー)

     
 

日時:12月17日(金曜日)16:00 –

 
  場所:青葉山キャンパス 生物地学共通講義室  
     

山下聡 博士(森林総合研究所)

     
  東南アジア地域における人為活動が菌類の多様性に及ぼす影響  
     
 

 近年の生物多様性の急速な減少は、生息地の破壊や土地利用形態の転換といった人為活動を主な要因としている。東南アジア熱帯地域は多くの生物多様性ホットスポットを含み、生物多様性の保全上、重要な地域である。菌類は極めて多様な種を含み、また、分解作用や菌根共生を通じて、生態系の物質循環で重要な役割を担っている。木材分解菌の一群である多孔菌類(いわゆるサルノコシカケ類)では、中高緯度地域を中心に人為活動による多様性の劣化が指摘されており、熱帯地域でもその可能性がある。  本セミナーでは、ボルネオ島とインドシナ半島での調査結果をもとに、二次林化やアカシア植林地化が多孔菌類群集に及ぼす影響と、原生林の孤立化が優占的な多孔菌類の一種の遺伝的多様性に及ぼす影響について紹介する。多孔菌類の資源利用様式や分散様式を踏まえたうえで、人為活動が菌類の多様性に影響を及ぼすメカニズムについて考えてみたい。