「生態環境人材育成プログラム」説明会

生態適応GCOE・PEMとは?
(生態適応GCOE拠点リーダー 中静透)

克服から適応へ

 温暖化などの地球環境変化はもはや避けられず、今世紀には生態系が激変し、生態系サービスの低下など我々人間にも様々な影響を及ぼすことが懸念されています。今、将来に向けた対策が必須ですが、そのためには従来の自然克服型の技術ではなく、生物や生態系が本来備えている環境変化に適応する力を利用した技術の方が、実は効果的で社会的コストも軽減できる可能性があります。

 生態適応GCOEでは、生物や生態系の適応力のメカニズムを解明する基礎的研究、適応力を活かした保全技術の開発、さらには生態系保全対策の経済性や社会的な合意の形成までを含む社会システムの3領域をリンクさせ、融合的・一体的に研究・実践を行う新しい学問領域「生態系適応科学」の確立を目指しています。

高度な専門性と社会性を兼ね備えた博士を育成

 これら学問と並んで、生物や生態系の適応力を活かした環境対策を社会で実践していくために大切なことは、人材育成です。従来、大学院教育では狭い専門分野での問題探究能力に重点が置かれてきました。しかし、国際機関や環境問題に取組む企業、NGO、自治体などからは、博士レベルの専門性に加えて、社会性を兼ね備えた人材が強く求められています。

 そこで生態適応GCOEでは、高度な専門性と社会性を兼ね備えた「プロフェッショナル・エコシステム・マネージャー(PEM)」の資格を設置し、実社会が直面している環境問題に対応できる博士を育成します。PEMカリキュラム実践科目のひとつ「国際インターンシップ」でも、世界がそのような人材を強く求めていることを是非実感してください。

 さらに生態適応GCOEでは、生態系適応科学の普及・定着を目指して、社会ニーズをつかむため、関連する国際機関や企業、NGOなどと「環境機関コンソーシアム」を設立し、情報共有や人材交流・育成など積極的な交流をしています。コンソーシアムメンバーとPEM受講者との交流の機会も数多く設けられています。

新しい仕事場を開拓することに挑戦してほしい

 専門的なバックグラウンドを持ち、なおかつ、多様な分野・立場を理解した上で、問題解決方法を見出せる考え方やスキルを武器に、社会的・国際的なニーズに応え、人間が本当に豊かな生活を送れるような世界をつくることに、PEMという資格が使われることを願っています。PEMを取得して新しい仕事場を開拓することに、是非チャレンジしてください。

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