「生態環境人材育成プログラム」説明会

「生態環境人材育成プログラム」説明会レポート

【日 時】12月14日(火)15:00〜17:00
【場 所】東北大学理学部生物・地学共通講義室(環境制御棟2F)
 東北大学生態適応GCOEでは、実社会が直面している環境問題に対応できる人材を育成することを目的として、大学院博士課程を対象とした「生態環境人材育成プログラム」を実施しています。このプログラムは、生物・生態系に関連する環境分野で国際的に研究をリードする先端的研究者の育成を目指す「先端研究者育成プログラム」と、高度な専門家として問題解決型のプロジェクトを企画運営できる生態環境人材(Professional Ecosystem Manager:PEM)の育成を目指す「PEM育成プログラム」の2つから構成されています。 生態適応GCOEはあと2年ほどで終了することになっていますが、この教育プログラムは何らかの形で継続し、修士課程在学者もカリキュラムの一部を受講できるようにする予定です。そこで、博士課程進学希望者だけでなく、本プログラムが提供するカリキュラムの受講を希望する修士課程進学希望者、社会人入学希望者も対象に含め、説明会を開催しました。

生態適応GCOE・PEMとは?
(生態適応GCOE拠点リーダー 中静透)

 まず生態適応GCOE拠点リーダーの中静透教授から、生態適応GOCEやPEMの目的などが説明されました。温暖化などの地球環境変化はもはや避けられず、今世紀には生態系が激変し、生態系サービスの低下など我々人間にも様々な影響を及ぼすことが懸念されています。中静教授は「そのためには従来の自然克服型の技術ではなく、生物や生態系が本来持つ環境変化に適応する力を利用した技術の方が、実は効果的で社会的コストも軽減できる可能性がある」と本拠点形成の必要性と意義を説明しました。そして、生態系や生物の適応力を活かした環境対策を社会で実践していくためには、研究と並んで教育が重要であり、「博士レベルの高度な専門性に加え、社会性を兼ね揃えた人材が、国際的・社会的な環境保全の現場で強く求められている」と繰り返し強調しました。最後に、中静教授はPEM受講希望者へ「PEMを取得し新しい仕事場を開拓することに是非チャレンジして欲しい」とメッセージを送りました。

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PEMで学んだことが現場でどのように生かされているか?
(環境省 吉野元)

 環境省の吉野元氏は、今年10月に名古屋で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)での具体的な業務内容を紹介しながら、PEM一期生として学んだ様々なことが、環境省の業務内容でどのように生かされているかを紹介しました。環境省の仕事で求められたのは、専門性を応用・実践する能力はもちろん、生物多様性をめぐる幅広い知見や効率良く仕事をこなす力、さらに多様な価値観への理解やコミュニケーション力といった社会性などを吉野氏は挙げ、「まさにPEMのような人材が求められていた」と話しました。最後に吉野氏は「これから大きく変化する社会を見据えて、自分が今後何をしていくべきか、何ができるのかを考え、行動することが必要」と語り、そのためにPEMを活用することを勧めました。

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社会人学生としてPEMで学んだこと
(三菱マテリアル 荒井重行)

 今年9月に社会人学生として工学博士とPEMの資格を取得した三菱マテリアルの荒井重行氏は、「実社会で経験したことの中に、PEMの内容の基本的なことがすべて書かれていた」と振り返り、大学卒業後に就職して現在に至るまでの過程の中で、PEMの内容と実際の仕事がどのようにつながっているかを実践例として紹介しました。環境マネジメントを社内外の活動から18年間かけて習得してきた荒井氏は、数々なエピソードを紹介しながら、「PEMは3年間でこれらのことを学ぶので、6分の1のスピードで学ぶことのできる凄い体験だ」と語り会場を和ませる場面もありました。結びとして荒井氏は「PEMで学んだ者が、それぞれの分野で活躍し、お互い連携を取って行動すれば、より良い未来に変えていく力になると強く思っている」と述べていました。

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現役学生の声
(農学研究科・富田基史)

 農学研究科の富田基史氏は、現役学生として受講中のPEMの魅力や苦労などを、大学院入学時からの心境の変化を振返りつつ、具体的なエピソードを交えながら紹介しました。専門分野で問題を探究しているとどうしても視野は狭くなりがちですが、富田氏はPEM受講を通じて、自分の研究の社会に対するインパクトや、あるいは社会ニーズに対して自分は何ができるのかを強く意識するようになったと言います。また多様な立場の人々とのコミュニケーションスキルや人的ネットワークも大きな財産になったと語りました。最後に富田氏は「PEMは一つのきっかけに過ぎず、そこから自分が何をできるのか考えることで初めてPEMの可能性は広がる。PEMで得た知識や人脈を手に、可能性を広げて欲しい」と後輩にメッセージを送りました。

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PEM・環境学実践マネジメント講座・先端研究者育成プログラム概要
(生態適応GCOE拠点サブリーダー河田雅圭)

 最後に生態適応GCOE拠点サブリーダー河田雅圭教授からは、PEM・環境学実践マネジメント講座・先端研究者育成プログラムについて概要説明がありました。まず、生態適応GCOEのプログラムの受講対象者やPEM資格取得の要件が説明された後、各プログラムの概要や履修方法について説明がありました。また、生態適応GCOEはあと2年ほどで終了することになっていますが、一部の教育プログラムは何らかの形で継続し、修士課程学生もカリキュラムの一部を受講できるようにする予定であることも話されました。河田教授は「生物多様性や生物と環境問題がどのように関係しているのか学んでいただく機会をより多くの方に提供したい」と話していました。

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