国際フィールド実習(マレーシア2009.9.23-10.4
 
     
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  9月24日  
  ●サバ州 レインフォレスト・ディスカバリー・センター訪問 RDCは環境教育を目的に、セピロック森林保護区につくられた施設。森林保護や持続可能な森林資源利用の大切さを伝えている。  
   
  センターのマネージャ−、Bernadette D. Joeman氏による森林政策についてのレクチャー。サバ州の森林政策の概要、林業の現状、持続可能な森林資源の活用への挑戦,森林管理計画の戦略などについて概要をお話しいただいた。ディスカバリーセンターでは、様々な層への関心喚起のための教育・広報プログラム作りも熱心に進めている。  
     
   
  施設内のプラント・ディスカバリー・ガーデンを散策。マレーシアに生息する多様な熱帯植物や樹木を集めて作られた植物園。森林に関心をもってもらうために作られた。子どもたちや学生向けのプログラムなども行われている。  
 

参考URL サバ州森林局 http://www.forest.sabah.gov.my/
レインフォレスト・ディスカバリー・センタ-http://www.forest.sabah.gov.my/rdc/

 
     
   
  4WD分乗してデラマコット森林保護区へ移動。道路の脇は延々と続くオイルパームのプランテーション。地平線まで続くその光景に圧倒される。  
 

●デラマコット森林保護区
サバ州森林局によって、持続可能な森林管理のモデル事業として運営されているデラマコット保全林を訪問。広さは約5万5000ha、200名強のスタッフが働いている。1997年にFSCより”Well managed”として認証され、以後更新を続けている。アジアではまだ少ないFSC認証林のひとつ。営林署の副署長Peter 「Lagan」氏氏より森林管理の概要についてのレクチャー。持続可能な森林管理の概略、森林生態系への影響を最小限に抑えた伐採方法(Reduced Impact Logging)や、植林、森林保護活動、生態系保全(野生動物保護)活動、さらには収支(スタートから15年で黒字転化)などについてお話いただく。

 
     
  9月25日  
  Peter氏のガイドでデラマコットの森の中へ。Reduced Impact Loggingの実際について、現場を歩きながら視察。生態系を壊さない工夫、伐採後の環境劣化を防ぐ工夫、トレーサビリティの確保など、現場で培われたきめ細やかなマニュアルに従ってプロセスが管理されていることがよくわかる。伐採の瞬間にも立ち会うこともできた。休日(日曜)にも関わらず、わざわざ私たちのために伐採を行ってくれたとのことでした  
     
   
   
   
   
   
   
 

参考URL デラマコット森林保護区 http://www.deramakot.sabah.gov.my/english/

 
 

● ダナウ・ギラン・フィールドセンター サバ州野生動物保護局とイギリスのカーディフ大学が共同管理する研究施設。キナバタンガン川の下流域に位置し、主にオランウータンやボルネオゾウなどの野生ほ乳類の生態や遺伝子の調査を、現地NGOと一緒に取り組んでいる。 サラヤ株式会社/広報の代島浩世氏、ボルネオ保全トラスト・ジャパン理事長/星嵯大学准教授の坪内俊憲氏によるレクチャー。

 
 

サラヤ株式会社/広報の代島浩世氏、ボルネオ保全トラスト・ジャパン理事長/星嵯大学准教授の坪内俊憲氏によるレクチャー。

 
   
 

代島氏からは、RSPO(Roundtable for Sustainable Plam Oil)について。 RSPOはオイルパームのプランテーションが急速に生態系破壊を引き起こしている現状を変えようと、WWFの呼びかけで、2004年に設立された国際的な話し合いの場。世界各国から企業、NGO、行政などオイルパーム関係者が集まり、持続可能なオイルパーム生産のあり方について基準作りや認証制度構築への模索が始まっている。2009年現在、日本からはサラヤなど6社が参加している。

 
   
 

坪内氏からはキナバタンガン川下流域で起きている問題と、ボルネオ保全トラスト(BCT)の活動について。オイルパームのプランテーションによって、森が分断(断片化)され、多くの野生動物が狭いエリアに閉じ込められ、捕食や繁殖が思うようにできず絶滅の危機に瀕している。BCTは、分断された森をつなぎ野生動物が移動できるようにするため、土地を買い取って「緑の回廊」を作る計画を推進している。カーディフ大学の研究によれば、50年後のオランウータンの生存率は、「緑の回廊」がある場合は95%、ない場合は5%という数字。土地を買うだけでなく、オランウータンが川を渡れるように吊り橋をかけるプロジェクトなども紹介。先進国での消費が、森を壊している原因になっている現実を知ってほしいと訴えた。 参考URL ダナウ・ギラン・フィールドセンター http://www.cardiff.ac.uk/biosi/facilities/danaugirangfieldcentre/

ボルネオ保全トラスト http://www.borneoconservationtrust.org.my/ ボルネオ保全トラスト・ジャパン http://www.bctj.jp/ サラヤ株式会社 http://www.saraya.com RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil) http://www.rspo.org/

 
     
  9月26日  
 

● ゴマントン洞窟見学

30メートル四方で高さは100メートルの巨大な洞窟。無数のアナツバメが巣を作り、その巣が食材として中国に輸出されている。地面はアナツバメの糞で覆われ、その糞を目当てに、ゴキブリや虫、カニなどが這い回る。近くの森で、オランウータンに出会う。

 
   
 
 
 

 

 
 
● Kinabatangan Orang-Utan Conservation Project(KOCP)訪問
 
 

KOCPはキナバタンガン川流域のオランウータンの保全を目的に、サバ州野生動物保護局とフランスのNGO、HUTANが協力して1998年にスタートしたプロジェクト

 

 
 

 

 
 
●野生動物観察
 
 

坪内氏をガイドに、ボートでキナバタンガン川沿いの野生動物を観察。オランウータン、カニクイザル、テングザル、カワセミ、サイチョウなど多くの野生動物を観察することができるが、それは動物たちが狭いエリアに追い詰められため。川沿いに見える森のすぐ奥にプランテーションが迫っている。

 

 
 

 
 

 
 

 
   
 

日本の動物園と本四架橋の設計者などが協力して消防ホースで作った吊り橋が2008年に設置されている。分断された森をつなぐ役割が期待されているが、残念ながらオランウータンが渡った形跡はまだない。見学時にテングザルが渡っている様子を目撃。ある程度の目的は果たせていることが確認できた。

 

 
   
   
 

参考URL ゴマントン洞窟 http://www.malaysiasite.nl/gomantongeng.htm

 
     
  9月27日  
 

● 野生動物観察2

支流に入ると、けたたましく鳴くテナガザルの雄に遭遇。対岸にいる雌のテナガザルに求愛コールをしている。しかし、分断された森では、この2匹のテナガザルが直接会うことはできない。 サンダカンよりコタキナバル経由でミリへ移動。

 
 

9月28日

 
 

●ランビルヒル国立公園

サラワク州ミリの市街から30kmほど南下した場所にある、故井上民二氏の尽力で作られた日本の生態学、地球環境研究の拠点。森の中に建てられたクレーン・タワーで、直径150m、高さ80mの空間を自由に行き来し、森林を立体的に観察・研究することができる。森の中のいたるところに、観察用のはしごや階段が設置された樹が多くあり、木々の間を吊り橋がつないでいる。

 

 
   
 

 

 
 

フタバガキの周りを取り囲むように作られた階段と、はしごを使って木のてっぺんまで登る。

 

 
   
   
   
 

 

 
 

クレーン・タワーのゴンドラに乗って樹冠の観察。ランビルヒルの森では、数年に一度、木々が一斉に開花する。今回の訪問は、運良くその一斉開花の時期と重なったため、ゴンドラからの眺めの美しさに、皆息を飲んだ。

 

 
   
   
   
     
  ●イヴァン族のロングハウス訪問  
  参考URL ランビルヒル国立公園 http://www.forestry.sarawak.gov.my/forweb/np/np/lambir.htm  
   
   
 

9月29日

● サラワク・オイルパームス社見学

 
   
 

 

 
 

パームオイルの製造工場の見学。Lee Wei Keaf氏により概要の説明を受け、工場へ。オイルパームの実は採取後すぐに品質が劣化していくため、24時間以内に搾油しなければならない。そのため、搾油工場はプランテーションに隣接して建てられる。収穫したばかりのオイルパームの果房がトラックに乗せられて、ひっきりなしに運び込まれる。運び込まれたオイルパームはオートメーション化された工程で、あっというまにパームオイルに変わっていく。ひとつの工場が採算が合うためには、最低4000haのプランテーションが必要とのこと。

 

 
   
   
   
 

 

 
 

プランテーションに入ってみると、そこは1種類の植物しかないモノトーンの世界。これまで見てきた多様な熱帯雨林の森とは対照的な光景。グローバルな消費社会と、ローカルな経済、生態系と地球環境、全てをバランスよく持続可能にしていく方策があるのかどうか。視察した私たちにも、重い課題が突きつけられている。

 

 
   
   
 
関連URL サラワク・オイルパームス http://www.sop.com.my/
 
     
 
 
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